毎日100人超が自ら命を絶つ日本。「死にたい気持ち」は名誉の負傷なのでは

日本では、毎日100人以上の人が自ら命を絶っています。1998年以降、国内の自殺者数は年間3万人を超え、とくにコロナ禍以降その数はさらに増加。「自殺大国」とも称される日本では、どのような社会構造が人々を追い込んでいるのでしょうか。また、死にたいと思い詰めたとき、どのような心の持ちようがあるのかについて考えてみたいと思います。

日本の社会構造が自殺を引き起こしている?

「死にたい」と感じることは、実は珍しいことではありません。しかし、それを実行に移してしまうのは深刻な状況です。
日本ではとくに高齢者の自殺が目立っており、彼らの死因のうち自殺が占める割合は30%にも達しています。この背景には「年金の少なさ」や「生活保護の難しさ」があると言われ、社会からの孤立や金銭的な不安が重なり、最終的に自ら命を絶つ決断をしてしまう人が少なくありません。

生活保護を受けても「生かされている」むなしさ

生活保護や公的保険などの支援制度がある日本ですが、実際に受給してもそれだけで心から安心できるわけではありません。支援を受けても「誰かに生かされている」という意識が続くと、生活の中で「心の居場所」が持てず、むしろ心が追い詰められてしまうことがあります。
支援制度は最低限の生活を支えますが、「生きろ」という命令は人によっては重荷に感じることもあるのです。

若者の死因トップが「自殺」という現実

子供や学生の死因として、自殺が1位であることも深刻です。コロナ禍の中で多くの交流機会が制限された子供たちにとって、孤独や将来への不安が積み重なり、「もうすべてをリセットしたい」と思ってしまうことも一因だったようですが、それ以前にも若者の自殺は社会問題になっていました。

行き詰まりを感じ、自ら命を絶ってしまう若者が増えているというのは、日本社会の大きな課題です。

自殺に至る心理:「うつ状態」による思考の偏り

自殺の背後には、しばしば「うつ状態」が関わっています。
うつ状態にある脳は「解決」という選択肢を見失い、「逃げ場がないならば消えるしかない」と考えやすくなります。通常であれば「しばらく休もう」「ここから逃げよう」と思える状況でも、うつ状態の脳ではその選択肢が視界から消えてしまうのです。この思考の偏りこそが、自殺に向かわせる危険な要素と言われています。

「死ぬしかない」と思うとき、どうすればいいか

もし今「死ぬしかない」と思い詰めている方がいれば、その思いをひとまず“棚上げ”にしてみてください。
私たちは生物として、本来は防衛本能によって「生きる」選択をしますが、うつ状態ではこの本能が働きにくくなることがあります。「今の気持ちはうつ状態にいるからだ」と認識するだけでも少し視界が開けるはずです。「これは今だけの気持ちかもしれない」と俯瞰し、心を休ませることが、絶望から一歩引くための大切な方法です。

理想の生き方に縛られていませんか?

自殺を選ぶ人の中には、「理想のまま生きられないなら生きていたくない」という思いに苦しむ方もいます。理想を持つこと自体はすばらしいことですが、完璧にそれを貫けないことも、私たちの人間らしさです。生き方はしぶとくていいし、力強くしがみついていい。「生き抜く姿勢」を肯定し、「理想がうまくいかなくても、また少しずつ前に進む」という選択肢があることを心に留めてくれればいいなと思います。

「死期は自然にやってくる」私が自殺しない理由

わたしは、自分の人生において「逃げてもいい」と考えています。何かが嫌なら、それを避けてもかまわないというルールです。最終的に私たちは全員が「いつか死ぬ」という共通の運命を持っていますから、自分から急いで死を選ぶ必要はありません。辛いことがあれば逃げてもいいし、少しずつ進むのもいい。こうした選択肢が私たちには許されています。

多くの生き方がある中で、「死にたい」と感じることもありますが、それに押しつぶされる必要はありません。どんなに絶望的に感じても、その「死にたい」という気持ちこそが、真剣に生きている証と言えます。そして、同時にその気持ちは「名誉の負傷」として、何よりも自分を支えてくれる大切なものでもあるのです。

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