「死ぬのが怖い…」とふと思い始めると、どうにもその思考が止まらない。そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか?多くの人が子どもの頃に「死」を意識して恐怖を感じ、大人になるにつれてうまく折り合いをつけていきますが、大人になってから感じる「死の恐怖」というのは、そう簡単に消えてくれません。深く考えずに気を紛らわせようとしても、ふとした瞬間にまたその恐怖が押し寄せることもありますよね。
今回は、突発的に襲ってくる「死ぬのが怖い!」という感情にうまく対処する方法について考えてみます。
瞬時にできる対処法を身につける
「死が怖い」と感じた瞬間、その場で恐怖をやわらげるスキルがあれば気持ちがぐっと楽になります。理想はその恐怖を克服できることですが、まずは「怖いけれど、それでも前に進める」と思える状態を目指すのが現実的な目標でしょう。「恐怖が襲ってきても大丈夫」と自分で思えるようになると、次第に恐怖にとらわれにくくなります。
恐怖の「二次的な恐怖」から抜け出す
「またあの恐怖が来たらどうしよう」と、恐怖そのものに恐怖を重ねる状態は、多くの人が陥りやすい堂々巡りです。本来なら「自分の死」が恐怖の対象であったはずが、次第に「死を考えることそのもの」や「恐怖を感じること」が新たな恐怖になってしまうことも。
そうなると、そもそも死について冷静に考え直す機会すら奪われてしまいます。
まずは、恐怖に飲み込まれないためにも、意識的に「今は考える時間ではない」と自分に言い聞かせる練習をしてみましょう。これは、感情に流されずに思考を選び取る練習にもなり、ひいては感情をうまくコントロールする第一歩になります。
「なぜ」死が怖いのか、理由を見つめる
「死ぬのが怖い」と一言にいっても、いろんな人と話すとその「理由」は人によってかなり異なることがわかってきました。たとえば、死の痛みが怖い人、意識の消滅が怖い人、あるいは時間が余っているとつい漠然と考えてしまう人など、背景はさまざまです。
「死ぬのが怖い理由」を丁寧に分析してみることで、自分の価値観や人生に対する思いが見えてくるかもしれません。
「いつ」怖くなるのか、そのタイミングを見つける
「なぜ怖いか」がすぐにはわからないときには、「いつその恐怖を感じるのか」を振り返ってみましょう。たとえば、夜ベッドに入る直前に恐怖を感じるなら、その根本は「意識がなくなること」への不安かもしれませんし、楽しい時間が終わったあとに恐怖を感じるなら、「この楽しさが永遠に続かないこと」への不安が根底にあるのかもしれません。自分なりの引っかかりポイントを突き詰めて知ることが、具体的な対処法を探るきっかけになるはずです。
死の恐怖を探ると見えてくる、大切なもの
死について怖さを感じる理由を深掘りしていくと、「自分がどんな人生を送りたいと思っているか」「本当に大切にしているものは何か」という指針が見えてくることがあります。普段は深く考えないような価値観や望みが浮かび上がり、タナトフォビアをただの恐怖ではなく、自分と向き合うきっかけとして活用できるかもしれません。怖さを受け止めるのも、新たな視点を持つための一歩になるでしょう。
「死ぬのが怖い」との適切な距離感をつかむ
死が怖い理由が見えてくると、自然と対処法も見つかりやすくなります。同じ恐怖でも、気が紛れるなら誰かと楽しく過ごすのがいい人もいれば、一人で静かに向き合うほうがいいという人もいます。自分の恐怖の原因に応じて、適切な距離感を見つけると、落ち着きやすくなるでしょう。
たとえば、楽しい時間のあとに「終わってしまうのが怖い」と感じる人は、次の楽しい予定を早めに入れてしまいましょう。こうして、気持ちが不安定になったときに自分で取りやすい行動を知っておくことが、気持ちを回復させるのに役立ちます。
怖がる自分を客観視するだけでも大きな変化が
ここまでで「なにか自分なりの答えを出さなければ」と思ったかもしれませんが、実際には「怖がる自分を俯瞰して見ている」だけでも効果があります。はじめは親しい友人や家族を見守るような感覚で自分を見つめ、少しずつ距離を保つと、恐怖の感情に飲み込まれずにいられるようになります。
とくに「楽しい」や「怖い」など、反射的に浮かんでくる自動思考に対して「ふ〜ん、今は怖いと感じているのか」と俯瞰的に見るだけで、感情がすっと落ち着くことがあります。まるで暗闇でロウソクの火を見つめるように、恐怖そのものに飲み込まれるのではなく、今の自分の思考を観察するだけで安心感を得られるかもしれません。
死の恐怖に振り回されず、少しずつ「自分」を取り戻す
「死ぬのが怖い」という感情は強力で、自分を飲み込むような力がありますが、その恐怖に気づきながらでも少しずつ自分を取り戻していくことはできます。恐怖に押しつぶされず、怖さを少しずつ受け入れ、むしろ生きる力に変えることもできるのです。感情に飲み込まれるのではなく、「自分の感情とどう付き合うか」を考えながら怖さと向き合ってみてください。
死が怖くても、それを抱えて日々を過ごす中で、恐怖がふとした瞬間に生きる力となることがあるはずです。
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