映画『ホドロフスキーのサイコマジック』|91歳の巨匠が辿り着いた究極のセラピー

カルト映画界で神話的な人気を誇るアレハンドロ・ホドロフスキーが91歳にして公開した最新作『ホドロフスキーのサイコマジック』。シュルレアリスムを駆使した過激な作風で知られる彼が、自ら考案した心理療法「サイコマジック」をテーマに、人の心に直接触れる究極のセラピーを描いたドキュメンタリーです。映画やアートを通して「人間の本質」と向き合い続けてきたホドロフスキー。今作が観る人の心にどんな癒しを届けるのか、その秘密に迫ります。



『ホドロフスキーのサイコマジック』あらすじ

出典元:IMDb

人生に行き詰まりを感じた人々がホドロフスキーを訪れ、彼が編み出した「サイコマジック」という心理療法で心の闇を解放していきます。過去の作品の一部も挿入され、彼がどのようにこの「行動を通じて癒す」という手法に行き着いたかが自然と理解できる構成になっています。驚きや戸惑いを感じる表現も多いのに、どこか優しい彼の言葉は、観る者に深い静けさと癒しをもたらします。

アレハンドロ・ホドロフスキーとは?

ホドロフスキーは、チリ生まれでフランスで活動する映画監督。彼は移民家庭に生まれ、過酷な幼少期を過ごしながらもシュルレアリスムを愛し、カルト映画監督として名を馳せました。彼の作品には、暴力やグロテスクな描写が多く見られるものの、それ以上に人間の根源的な愛や優しさが溢れており、「貧乏になるために映画を作る」と語るホドロフスキーは、自分が作る映画を「魂の癒し」として捉えています。

ホドロフスキーが語る「映画の役割」

出典元:IMDb

ホドロフスキーは「映画とは観る人が自分を思い出すためのものだ」と語ります。彼にとって映画はアートであり、自分の内なる美と向き合う手段でもあります。観客が自分を振り返るきっかけとなることで、彼の映画は単なるエンターテイメントの枠を超え、内面と対話するための芸術として存在しています。

サイコマジックとは?心を癒すための「行動療法」

サイコマジックはホドロフスキーが考案した心理療法で、言葉によるカウンセリングではなく「行動」を通じて癒しを提供します。特定の行動を通してトラウマや無意識にアプローチし、言葉にならない感情を解放させる手法です。彼が言う「無意識の言語」を、体を通じて表現することこそがサイコマジックの核心といえます。

映画『ホドロフスキーのサイコマジック』の癒しの実例

ホドロフスキーの元に訪れた10組の人々が、様々なトラウマや苦悩をサイコマジックを通じて解消していきます。

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  • 90歳の女性
     豊かな暮らしを送りながらも絶望感に包まれ、自分の存在に無力さを感じていた女性は、ホドロフスキーに導かれ、樹齢300年の大木に水をやる行為を続けることで、自分を受け入れる瞬間を迎えます。彼女の表情が少しずつ和らいでいくのが印象的です。
  • 吃音に悩む男性
     40代で吃音に悩む彼は、ホドロフスキーの指示で「黄金バット」になりきり、トラウマと向き合います。その後、吃音が改善され、自らの人生を見つめ直すきっかけとなりました。
  • 虐待のトラウマを抱える妊婦
     過去の辛い記憶に囚われていた女性は、自らの心に触れる行動を通して少しずつ自己を受け入れ、未来への一歩を踏み出します。

「サイコマジック」が映す行動の力と癒し

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この映画に登場するサイコマジックは、スピリチュアルや魔法のようなものではなく、行動を通じて自分を認め、許すことに重きを置いています。悩みを抱えた人が自分を許し、「これでいいんだ」と実感する瞬間、彼らの表情が一瞬で安らかになるのがとても印象的です。ホドロフスキーは、相談者の心にそっと寄り添い、その人の持つ力が花開くための手助けをしているようにも見えます。

『ホドロフスキーのサイコマジック』は心の癒しの旅

出典元:IMDb

『ホドロフスキーのサイコマジック』は、単なる映画を超え、人の魂に触れ、その心を癒す「究極の行動療法」を描いた作品です。誰しもが抱える「心の傷」を見つめ直すためのきっかけとして、ホドロフスキーが私たちに贈る、この深い癒しの作品をぜひ体験してみてください。

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