人間の狂気から霊的恐怖まで、名作ホラー映画を網羅的に紹介。心を震わせる多彩な恐怖のタイプを徹底的にまとめ、ジャンル別に64本の厳選作品をピックアップしました。ぜひお好みのホラー映画を見つけて、心に残る恐怖体験を楽しんでみてください。恐怖の世界を深く掘り下げる絶好の機会です!
Contents
- 1 超自然の恐怖!幽霊・悪霊が登場する名作ホラー映画
- 1.1 『鳥』(1963)
- 1.2 『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)
- 1.3 『エクソシスト』(1973)
- 1.4 『ヘルハウス』(1973)
- 1.5 『オーメン』(1976)
- 1.6 『キャリー』(1976)
- 1.7 『サスペリア』(1977)
- 1.8 『ポルターガイスト』(1982)
- 1.9 『エルム街の悪夢』(1984)
- 1.10 『シックス・センス』(1999)
- 1.11 『リング』(1998)
- 1.12 『ザ・リング』(2002)
- 1.13 『仄暗い水の底から』(2002)
- 1.14 『呪怨』(2003)
- 1.15 『着信アリ』(2004)
- 1.16 『サイレントヒル』(2006)
- 1.17 『キャビン』(2012)
- 1.18 『クロユリ団地』(2013)
- 1.19 『死霊館』(2013)
- 1.20 『ウィッチ』(2015)
- 1.21 『哭声/コクソン』(2016)
- 1.22 『ライト/オフ』(2016)
- 1.23 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)
- 1.24 『クワイエット・プレイス』(2018)
- 1.25 『へレディタリー/継承』(2018)
- 1.26 『来る』(2018)
- 1.27 『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019)
- 1.28 『貞子』(2019)
- 1.29 『犬鳴村』(2020)
- 1.30 『オールド』(2021)
- 1.31 『NOPE/ノープ』(2022)
- 1.32 『ヴァチカンのエクソシスト』(2023)
- 2 人間の狂気、現実に潜む心理ホラー名作映画
- 3 耐性必須のグロテスクホラー名作映画
- 3.1 『悪魔のいけにえ』(1974)
- 3.2 『ゾンビ』(1978)
- 3.3 『ハロウィン』(1978)
- 3.4 『エイリアン』(1979)
- 3.5 『13日の金曜日』(1980)
- 3.6 『死霊のはらわた』(1981)
- 3.7 『遊星からの物体X』(1982)
- 3.8 『バイオハザード』(2002)
- 3.9 『ミスト』(2007)
- 3.10 『ワールド・ウォーZ』(2013)
- 3.11 『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)
- 3.12 『ハッピー・デス・デイ』(2017)
- 3.13 『アナイアレイション 全滅領域』(2018)
- 3.14 『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019)
- 3.15 『LAMB/ラム』(2021)
- 3.16 『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021)
超自然の恐怖!幽霊・悪霊が登場する名作ホラー映画
幽霊・悪霊を通じて、人間の根源的な恐怖感を引き出す名作映画。
『鳥』(1963)

アルフレッド・ヒッチコック監督による傑作スリラー『鳥』は、突如として鳥が人々を襲い始める恐怖を描く。舞台は静かな海辺の町、徐々に増していく不安感が特徴だ。とくに、鳥が集団で襲いかかるシーンは圧巻。セリフや音楽を排除した映像表現が緊迫感を高める。ヒッチコックは日常の中に潜む恐怖を見事に表現しており、本来無垢な存在であるはずの「鳥」が恐怖の象徴となる設定が非常に斬新。
『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)

ロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』は、サイコロジカル・ホラーの代表作。若い妊婦・ローズマリーが不気味な隣人や夫の裏切りに巻き込まれてゆく物語。ゆっくりと展開する不安感と、精神的な緊迫感が見どころ。最終的には彼女の子供の正体が明かされるが、そこに至るまで観客の想像力を掻き立てる演出が秀逸で、精神的な恐怖がじわじわと迫ってくる。
『エクソシスト』(1973)

ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』は、悪魔に取り憑かれた少女・レガンを救うため、二人の神父が“エクソシズム(悪魔払い)”を行う恐怖映画。首が180度回転するシーンや、緊迫した儀式の強烈な描写はあまりにも有名。宗教的なテーマを通じて恐怖を具現化しているのが特徴であり、リアルな表現が恐怖を一層際立たせる。
『ヘルハウス』(1973)

『ヘルハウス』は、リチャード・マシスンの小説を原作に、悪名高い心霊現象が発生する邸宅でのできごとを描く。科学者たちが超常現象を解明するために「ヘルハウス」に挑むが、次々と恐ろしい出来事に見舞われる。物理学と超常現象の対比が興味深く、ゴシックホラー的な雰囲気と迫力あるヴィジュアルがこの映画の魅力。
『オーメン』(1976)

リチャード・ドナー監督の『オーメン』は、悪魔の子「ダミアン」を中心に展開する、宗教ホラーの名作。ダミアンの周りで次々と奇怪な死が起こり、彼がアンチキリストであることが明らかになる。ダミアンの無垢な表情と、その背後に潜む邪悪さのギャップが恐怖のポイント。また音楽の使い方が非常に効果的で、緊張感を一層高めている。
『キャリー』(1976)

ブライアン・デ・パルマ監督による『キャリー』は、いじめられた少女キャリーが念動力を使い、壮絶な復讐を遂げる物語。高校生の苛烈ないじめや、家庭内の宗教的抑圧がリアルに描かれており、とくにクライマックスのプロムのシーンは圧巻。青春映画のようでありながら、日常の中に潜む暴力をはじめとする恐怖を象徴する強烈な要素が際立つ。
『サスペリア』(1977)

ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』は、色彩と音楽を駆使した“美しいホラー映画”。舞台はドイツのバレエ学校、ここでは次々と恐ろしい殺人事件が発生する。目を引くのは、極彩色の照明とゴブリンの音楽が融合した異様な雰囲気。恐怖が視覚と聴覚の両面から迫ってくるため、視覚的に魅了されながらも恐怖に圧倒される不思議な作品である。
『ポルターガイスト』(1982)

トビー・フーパー監督、スティーヴン・スピルバーグ製作の『ポルターガイスト』は、家庭に襲いかかる超常現象を描いたホラー映画。テレビから始まる怪奇現象や、異次元の世界に引き込まれる子供など、当時としては革新的な特殊効果が見どころである。家族の絆と不気味な現象の対比が物語に深みを与えており、恐怖と感動の絶妙な融合が持ち味。
『エルム街の悪夢』(1984)

ウェス・クレイヴン監督による『エルム街の悪夢』は、夢の中で殺人鬼フレディ・クルーガーに襲われる若者たちの物語。フレディの鋭い爪や焼けただれた顔など、一度みたら忘れられないビジュアルが象徴的で、現実と夢の境界が曖昧になる恐怖が最大の特徴。「夢の中での出来事が現実に影響を与える」という設定が、観客に独特の不安感を与える傑作である。
『シックス・センス』(1999)

M・ナイト・シャマラン監督の『シックス・センス』は、「死者が見える少年」とその精神科医を中心に展開する心理ホラー映画。ストーリー全体が不気味な雰囲気に包まれながらも、ラストのどんでん返しが強烈な印象を残す。登場人物の感情の描写が丁寧であり、ホラー映画でありながらも深い人間ドラマを感じさせる。
『リング』(1998)

中田秀夫監督の『リング』は、日本のホラー映画の代名詞的存在で、井戸から這い出る「貞子」のシーンは世界的に有名。見た者に死をもたらす呪いのビデオを巡る物語である。あえて恐怖の源を視覚的に見せず、じわじわと追い詰められる心理的な恐怖がこの映画の魅力。ビデオの中の異様な映像や音響効果など、強い不安感を与える巧みな仕掛けが魅力。
『ザ・リング』(2002)

『リング』のハリウッド版リメイクである『ザ・リング』は、ゴア・ヴァービンスキー監督によってアメリカ向けにアレンジされた作品。“呪いのビデオ”という設定は引き継がれ、貞子に相当する「サマラ」がテレビから這い出るシーンはこちらも強烈。オリジナル版の持ち味である静かな恐怖感を残しつつ、より視覚的な恐怖に重点が置かれている。
『仄暗い水の底から』(2002)

『仄暗い水の底から』は、都市生活の中での孤独と不安を浮き彫りにするジャパニーズホラー。離婚した母と娘が新しいマンションに引っ越すが、そこには不気味な“水”の存在が付きまとう。独特の湿った雰囲気と心理的なプレッシャーが観客を包み込み、静かでありながら強烈な恐怖を感じさせる。
『呪怨』(2003)

清水崇監督の『呪怨』は、家に住む霊が引き起こす呪いの恐怖を描くジャパニーズホラーの傑作。白い顔の「伽椰子」と「俊雄」が登場するシーンのビジュアルインパクトは強烈。全体的に短くてショッキングなシーンが連続するため、恐怖が途切れなく驚かされ続ける。また、呪いが誰にでも感染していくという逃げ場のない設定が、恐怖を増幅させる。
『着信アリ』(2004)

三池崇史監督による『着信アリ』は、携帯電話を媒介した死の予告がテーマ。「着信音」が恐怖のシンボルとなり、電話を受けた者が未来の自分の死の瞬間を聞くという斬新な設定が当時の観客を引き込んだ。日本のホラーらしい静かでじわじわとした不安感が漂い、見ているだけで不安を煽られる作品である。
『サイレントヒル』(2006)

『サイレントヒル』は、人気ホラーゲームを原作とした映画。クリストフ・ガンズ監督による視覚的に美しい恐怖が展開される。母親が失踪した娘を探してたどり着いた町は、霧と灰に包まれ、不気味なクリーチャーが徘徊する。ゲームの世界観を忠実に再現し、恐怖と幻想が交錯する独特のビジュアルが印象的だ。
『キャビン』(2012)

ドリュー・ゴダード監督の『キャビン』は、ホラー映画の定番を皮肉った設定が魅力の作品。若者たちが森の中のキャビンで襲われるという古典的なストーリーながら、ここでは明かせない裏の設定も持つ。ホラーのクリシェを逆手に取ったユニークな脚本と、ホラーファン必見のクライマックスが見どころで、とにかくホラー好きにはたまらない作品である。
『クロユリ団地』(2013)

中田秀夫監督の『クロユリ団地』は、団地という日常的な場所を舞台に、死霊の恐怖が襲う物語。団地に住む老人が次々と不審死を遂げ、後半にはその背後に隠された秘密が明らかになる。閉鎖的な空間が持つ不安感と、音や影を効果的に使った演出が恐怖を一層際立たせるポイント。
『死霊館』(2013)

ジェームズ・ワン監督の『死霊館』は、エドとロレイン・ウォーレンという実在の心霊研究家の体験をもとにしたホラー映画。古い家に引っ越してきた一家が次々と怪異に見舞われ、ウォーレン夫妻がその謎を解明する。クラシックなホラーテイストを持ちながらも、緊張感を持続させる巧妙な演出と、実話ベースの恐怖が非常に効果的。
『ウィッチ』(2015)

ロバート・エガース監督の『ウィッチ』は、17世紀のアメリカを舞台に、信仰と不信が交差する不気味な物語。森の中で謎の出来事が次々と起こり、家族が次第に崩壊していく様子が描かれる。低予算ながらも、時代背景を細かく再現した圧倒的な雰囲気作りが特徴で、じわじわと不安感に引き込まれる。
『哭声/コクソン』(2016)

ナ・ホンジン監督による『哭声/コクソン』は、韓国の山奥の村で起こる奇妙な連続殺人事件を描いたミステリーホラー。村の人々が次々と不可解な発狂や暴力事件を起こす中、その原因を追う警察官もまた狂気に巻き込まれていく。キリスト教やシャーマニズムなど異なる信仰が交錯する多層的なストーリーが、観客を精神的にも不安定な状態に追い込む。緊張感のある演出と、予測不可能な展開が見どころである。
『ライト/オフ』(2016)

デヴィッド・F・サンドバーグ監督の『ライト/オフ』は、光と闇をテーマにした新感覚のホラー映画。「光が消えると現れる謎の存在が人々を襲う」という斬新な設定で、暗闇による恐怖を最大限に引き出している。視覚的な恐怖がとくに際立っており、ライトが消えるたびに現れる影が不安を煽る。心理的な恐怖と身体的な恐怖が巧みに交錯する作品だ。
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)

スティーブン・キングの名作を映画化した『IT』は、恐怖の象徴である「ペニーワイズ」というピエロが少年たちを襲う物語。子供たちの友情と成長を描きつつ、彼らのトラウマを利用するペニーワイズが恐怖を煽る。CGと特殊効果による視覚的な演出も強烈で、ペニーワイズの不気味な存在感が映画全体を支配している。恐怖と感動が交錯するストーリーが魅力。
『クワイエット・プレイス』(2018)

ジョン・クラシンスキー監督・主演の『クワイエット・プレイス』は、「音を立てると襲いかかってくる異形の生物」が支配する世界を描いたサバイバルホラー。家族が音を立てずに生活するために工夫を凝らす日常が、映画全体に独特の緊張感を与える。無音の演出が恐怖を増幅させると同時に、家族愛というテーマが感動的なドラマを織り成す。
『へレディタリー/継承』(2018)

アリ・アスター監督の『へレディタリー/継承』は、家族の中で代々受け継がれる呪いを描く心理ホラー。家族の死をきっかけに、奇怪な出来事が次々と起こり、母親が次第に狂気に陥る。驚愕の結末と、不安感を煽る映像美が鑑賞後感に深く残る。特に母親役のトニ・コレットの迫真の演技が見どころで、呪いによって静かに食い潰される恐怖が全編を支配している。
『来る』(2018)

中島哲也監督の『来る』は、家族に取り憑く「怪異」に立ち向かう物語。新婚夫婦のもとに「それ」が来るという予告が届き、その後に起こる怪異に彼らは翻弄される。視覚的な恐怖演出はもちろん、家族の絆や人間関係の崩壊を多層的に描くドラマが魅力でもある。中島監督ならではの独特の映像美と緊張感が観客を魅了する。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019)

ギレルモ・デル・トロが製作に関わった『スケアリーストーリーズ 怖い本』は、少年少女たちが謎の本に書かれた恐ろしい物語に翻弄されるというファンタジーホラー。本の中の物語が現実に変わっていく設定と、デル・トロならではの不気味で美しいクリーチャーデザインが見どころ。青春映画としての側面も持ち、若者たちの冒険とホラー要素が絶妙にミックスされている。
『貞子』(2019)

『貞子』は、中田秀夫監督による『リング』シリーズの最新作。新たな呪いのビデオが登場し、再び貞子の恐怖が蘇る。現代のメディア環境に合わせたストーリー展開をしながらも、恐怖の根源である貞子の不気味さは健在。とくに貞子が現れるシーンの演出は、シリーズの伝統を守りつつ、新たな視覚効果を取り入れているので注目だ。
『犬鳴村』(2020)

清水崇監督の『犬鳴村』は、日本の都市伝説である「犬鳴村」を題材にしたホラー映画。誰も近づけない村に踏み込んだ主人公が、次々と怪異に見舞われる。日本の伝統的な怪談と現代ホラーの要素を融合させた作品で、暗闇と霧に包まれた村のビジュアルが恐怖を引き立てる。ネットから火がついた都市伝説をもとにした独特のリアル感が、観客を引き込む要因となっている。
『オールド』(2021)

M・ナイト・シャマラン監督による『オールド』は、時間の進行が異常に速くなる不思議なビーチが舞台。訪れた家族が急速に老化していく様子を描いたサスペンスホラーだ。過ぎる時間という概念に恐怖を与え、登場人物が次々と老化し命を奪われる様子がスリリング。ビジュアルもそのテーマに忠実で、加齢の過程を不気味かつリアルに描いている。時間の流れが焦点となる一方で、家族の絆や生死の意味についても深く考えさせられる作品。
『NOPE/ノープ』(2022)

ジョーダン・ピール監督の『NOPE』は、UFOの謎を追う兄妹を中心にしたホラー・スリラー。ホラーとSFの融合に成功し、未確認飛行物体の脅威が現実的な恐怖として迫る。印象的なのは、壮大なのは、美しい風景と圧倒的な恐怖が交差するシーンで、映像美と恐怖(畏怖?)が見事に共存している。ジョーダン・ピール特有の社会批評的要素も含まれており、娯楽とテーマを両立させた独自性の高いホラー映画である。
『ヴァチカンのエクソシスト』(2023)

『ヴァチカンのエクソシスト』は、実在したエクソシストであるガブリエーレ・アモルト神父の実話をもとにしたホラー映画。エクソシズム(悪魔払い)の儀式を通じて、強力な悪魔と対峙する神父の葛藤が描かれる。視覚効果や特殊メイクを駆使した恐怖演出が印象的で、悪魔との対決シーンは特にスリリング。宗教的なテーマも深く探求され、スピリチュアルな恐怖が作品全体を支配している。
人間の狂気、現実に潜む心理ホラー名作映画
日常生活の中に潜む危険や狂気をリアルに表現し、精神的な不安や錯乱が魅力の名作映画。
『サイコ』(1960)

アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』は、ミステリーとホラーの要素を絶妙に組み合わせた、スリラー映画の金字塔として知られる。主人公が宿泊するモーテルの管理人ノーマン・ベイツの狂気と、物語が展開する中でのサプライズが見どころ。とくに有名なシャワーシーンは、映画史上に残る恐怖の象徴であり、心理的な緊張感と衝撃的な結末が強烈な印象を残す。
『シャイニング』(1980)

スタンリー・キューブリック監督による『シャイニング』は、スティーブン・キング原作の小説を基にした心理ホラー。雪に閉ざされたホテルで狂気に取り憑かれる作家・ジャックを主人公に描き、映像美と狂気の表現で観客を魅了する。廃墟のような閉鎖的なホテルと不気味なツインガールなど、視覚的な恐怖要素が満載。キューブリック独自の映像表現と、ジャック・ニコルソンの迫力ある演技が作品を名作たらしめている。
『震える舌』(1980)

『震える舌』は、佐々木昭一郎監督による日本のホラー映画。幼い娘が破傷風に感染し、死の恐怖と病の苦しみに立ち向かう家族の姿を描く。病気が引き起こす狂気と恐怖をリアルに描き出し、観客に恐怖の現実感を与える。「医学的なホラー」としての側面が強く、病気に侵される人間の苦しみや、それに対する家族の絶望的な状況が緊張感溢れる演出で展開される。子役の演技が圧巻でトラウマもの。
『羊たちの沈黙』(1991)

ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』は、精神分析と猟奇犯罪が絡み合うサイコスリラー。FBI訓練生のクラリスが連続殺人犯バッファロー・ビルを追うストーリーで、囚われの天才的な精神科医ハンニバル・レクターとの対話が鍵を握る。知能戦が展開される緊張感と、アンソニー・ホプキンスの圧倒的な存在感が見どころ。クラリスとレクターの心理的な駆け引きが、最大の魅力となっている。
『オーディション』(1999)

三池崇史監督の『オーディション』は、普通の“オーディション”が実は恐怖の入り口となる、という異色のサイコホラー。寡黙で清楚な女性が次第に狂気をあらわにしていく様子が衝撃的で、緊張感と不安感が高まる演出が見どころだ。後半に待ち受ける強烈なショックシーンは、世界中の観客にトラウマを与えるほどのインパクト。心理的ホラーと肉体的恐怖が見事に融合した作品である。
『黒い家』(1999)

『黒い家』は、貴志祐介の同名小説を基にしたサイコホラー映画で、行き過ぎた保険金詐欺を追う保険調査員の物語。ある顧客の家を訪れた主人公は、そこで不気味な出来事と狂気に満ちた家族に遭遇する。日常的な空間に潜む恐怖を連発させることで、映画全体に心理的圧迫感を感じる作品。とくに暗い色調の映像と「ヤバい人間」による静かな緊張感は、観客をじわじわと追い詰めていく。現代日本の家庭に潜む狂気を、リアルに描いたホラーの名作である。
『ソウ』(2004)

『ソウ』は、ジグソウと名乗るサイコパスが人々を巧妙な罠にかけ、生死を賭けた選択を迫るスリラー映画。次々起きる展開に観客は登場人物と同じく、残酷なパズルに巻き込まれたかのような恐怖を味わう。シリーズ化された本作は、血まみれの罠と心理的葛藤の要素で知られ、グロテスクなイメージが先行するが、それ以上にサスペンスとトリックが大きな魅力である。この第一作のラストのどんでん返しは、多くのホラーファンに強烈な印象を与えた。
『エスター』(2009)

『エスター』は、養子として迎え入れた少女エスターが、次第に家族に恐ろしい影響を及ぼしていく心理ホラー。エスターの不可解な行動と、彼女が隠す恐ろしい秘密が、強烈な緊張感を与える。主演のイザベル・ファーマンの演技が秀逸で、可愛らしく無邪気な外見と残酷な内面のギャップが恐怖を倍増させる。家庭内に潜む異常性と、次第に明らかになる衝撃の事実が見どころの作品である。
映画『エスター』の怖すぎる秘密と衝撃のラスト、サイコホラーの傑作を考察
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』(2010)

ホラー映画をパロディ化した『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』は、コメディとスプラッターを巧みに融合した異色の「笑えるホラー」。誤解によって殺人鬼とされてしまった善良な田舎者二人の主人公が、次々と巻き起こる惨劇に翻弄される。スラップスティックな要素とホラーの定番シーンを逆手に取った展開がユニークで、笑いとスリルの絶妙なバランスが楽しい。
『悪の教典』(2012)

三池崇史監督の『悪の教典』は、高校教師が表の顔と裏の残虐性を持つサイコパスであるという設定のサスペンスホラー。主人公が生徒たちを次々に襲うシーンは、三池監督特有の残酷描写と不気味な冷静さが際立つ。殺人計画が次第にエスカレートしていく展開は、人間の狂気の深淵を覗かせる。
『ジェーン・ドウの解剖』(2016)

『ジェーン・ドウの解剖』は、不気味な死体を解剖する過程で恐ろしい現象に遭遇する父子の物語。死体に隠された謎を解き明かそうとするうちに、彼らは次第に不可解な怪奇現象に巻き込まれていく。限られた空間で展開されるストーリーは、閉塞感と恐怖を増幅させ、視覚効果やサウンドがより不気味さを際立たせている。緻密な演出とテンポの良いストーリーテリングが光る一作。
『ドント・ブリーズ』(2016)

『ドント・ブリーズ』は、若者たちが金を盗もうと押し入った家の盲目の老人が、実は驚異的な戦闘力を持つ……という設定のスリラー。狭い空間で繰り広げられる息詰まる戦いが見どころで、音を立てるたびに命を落とす危険が迫る。老人の予想外の残忍さと、何気なく泥棒に入ってしまった主人公たちの必死の逃走劇が観客をハラハラさせる。基本画面は暗いが、音や緊張感で恐怖を演出している点がユニーク。
『ゲット・アウト』(2017)

ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』は、人種問題を扱った社会派ホラー映画。白人の恋人の実家に訪れた黒人青年が、恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。表面的には静かな田舎の生活だが、その裏には異常な実験が隠されている。観客は、主人公の視点から次第に狂気が明らかになる過程を体験し、心理的な不安とサスペンスが絶妙に交錯する。人種差別をテーマにした革新的なホラー。
『ミスミソウ』(2018)

『ミスミソウ』は、押切蓮介の同名漫画を原作とした日本のホラー映画で、いじめによって家族を失った少女が復讐に燃える物語。田舎の中学校を舞台に、主人公が次々と加害者たちに報復するシーンは、残酷ながらも痛快な展開が続く。復讐劇を通して人間の暗い感情が描かれており、復讐心に燃える少女の姿が強烈なインパクトを残す。
『ミッドサマー』(2019)

アリ・アスター監督の『ミッドサマー』は、明るい日差しの下で進行するカルト的な儀式を描いた異色のホラー。スウェーデンの田舎村を訪れた若者たちが、次第に恐ろしい儀式に巻き込まれていく。昼間の明るさがかえって異常さを際立たせ、独特な映像美とグロテスクな描写が恐怖を増幅する。心理的ホラーとしての要素が強く、観客に不快感を与える独自の世界観が魅力。
『アス』(2019)

ジョーダン・ピール監督の『アス』は、アメリカ郊外に住む家族が、彼らそっくりの「ドッペルゲンガー」に襲われる恐怖を描くホラー映画。表面上はスリラー展開だが、アメリカ社会に潜む階級格差や抑圧のメタファーが複雑に絡み合う。とくに、「自分の影」との対峙のシーンでは、深い哲学的問いを投げかけられる。独特のカメラワークと、緻密な脚本が恐怖を倍増させ、観客を不安定な心理状態に引き込む力作。
耐性必須のグロテスクホラー名作映画
残酷さと衝撃的なビジュアルで観客の神経を試してくる名作映画。
『悪魔のいけにえ』(1974)

『悪魔のいけにえ』は、トビー・フーパー監督によるスラッシャーホラーの原点的作品。テキサスの田舎を訪れた若者たちが、チェーンソーを振り回す「レザーフェイス」と狂った一家に襲われる。低予算ながらも、圧倒的な残虐描写と恐怖演出が話題を呼び、後のホラー映画に多大な影響を与えた。真夏の乾燥した風景と異常な一家の不気味さが、強烈な不安感を抱かせる。現代でも色褪せない、ホラー映画史に残る一作。
『ゾンビ』(1978)

ジョージ・A・ロメロ監督による『ゾンビ』は、ショッピングモールに閉じ込められた人々が、迫り来るゾンビの大群と戦う姿を描くサバイバルホラー。単なる恐怖映画に留まらず、消費社会や人間の本質を鋭く風刺している。ロメロ監督の独自の視点とリアルな特殊メイクは、当時としては革命的で、多くのゾンビ映画の原型となった。ゾンビ映画の金字塔として、今もなおその影響力を誇る。
『ハロウィン』(1978)

ジョン・カーペンター監督の『ハロウィン』は、マイケル・マイヤーズという無差別に殺人を繰り返す男が主人公のスラッシャー映画。静かな郊外の街を舞台に、次第に迫り来る恐怖が描かれ、緊張感に引き込まれる。音楽とカメラワークを駆使した恐怖演出が効果的で、低予算ながらも「ホラー映画のクラシック」として評価が高い。ジャンルに革命を起こした不朽の名作。
『エイリアン』(1979)

リドリー・スコット監督の『エイリアン』は、宇宙船内で突如発生したエイリアンによる脅威を描くSFホラーの名作。独創的なエイリアンのデザインと、不気味なクリーチャー描写がこの作品の最大の魅力であり、息もつかせぬ緊迫感がラストまで持続する。とくにエイリアンが初登場するシーンは、今なおホラーファンを震撼させる。閉鎖的な空間と未知の恐怖が融合させ、SFホラーのスタンダードを打ち立てた作品。
『13日の金曜日』(1980)

『13日の金曜日』は、キャンプ場を舞台に繰り広げられる殺人鬼ジェイソンの恐怖を描いたスラッシャー映画。マスクを被ったジェイソンの存在はトレードマークとなり、このあと多くのシリーズ作品が制作された。血まみれの殺戮シーンと、徐々に増幅される緊張感が観客を引き込む。ジャンルの定番を確立し、後のスラッシャー映画に多大な影響を与えた作品である。
『死霊のはらわた』(1981)

サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』は、山小屋に集まった若者たちが、古代の悪霊に取り憑かれて次々に恐怖の渦に巻き込まれていくというストーリー。圧倒的なテンションが最大の盗聴で、さらに独自のカメラワーク、グロテスクな特殊効果で話題となった。恐怖とブラックユーモアが入り混じった独特の世界観は根強いファンが多く、ホラー映画史に残るカルト的な人気を誇る。
『遊星からの物体X』(1982)

ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』は、南極の研究施設を舞台に、正体不明のエイリアンによる侵略が描かれる。エイリアンは他者に擬態する能力を持ち、「誰が感染しているのか分からない」という心理的な緊張感が作品全体を支配している。とくに、当時としては革新的な特殊効果と、登場人物たちの絶望感が視覚的に強烈なインパクトを与える。極限状況下での人間の疑心暗鬼と恐怖に引き込まれる。犬が可愛い。
『遊星からの物体X』あらすじとラスト考察|不気味な存在感を放つ名作SFホラー
『バイオハザード』(2002)

『バイオハザード』は、カプコンの人気ゲームを原作としたアクションホラー映画。地下研究所で発生したウイルスによってゾンビと化した人々との戦いを描く。ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるアリスが、華麗なアクションシーンを繰り広げながらゾンビに立ち向かう姿が印象的。スタイリッシュな映像美とテンポの良いアクションが見どころで、ゾンビ映画に新たな風を吹き込んだ一作である。
『ミスト』(2007)

『ミスト』は、スティーブン・キングの原作を基にしたパニックホラーで、謎の霧に包まれた町で生存を賭けた人々の物語を描く。閉ざされたスーパーの中で繰り広げられる人間同士の対立が主に描かれ、さらに霧の中から現れる未知のクリーチャーが絶望感と緊張感を際立たせる。衝撃的なラストシーンは、多くの観客に強烈な印象を残し、絶望的な結末だからこそ評価される名作。
『ワールド・ウォーZ』(2013)

『ワールド・ウォーZ』は、ブラッド・ピット主演のゾンビパニック映画。世界各地でゾンビの感染が急速に拡大する中、主人公・ジェリーが治療法を見つけるために奮闘する。映画の魅力は、グローバル規模で描かれるゾンビの侵略と、驚異的なスピードで襲いかかるゾンビたちの脅威にある。特に、大量のゾンビが押し寄せるシーンの迫力とスケール感は圧巻で、通常のじっとりとしたゾンビ映画とは一線を画したエンターテインメント性が際立っている。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)

韓国発のゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、高速鉄道の車内で突如発生したゾンビの恐怖と、生存者たちの極限状態でのサバイバルを描く。「高速で移動する列車」という危うく閉鎖的な空間が、緊張感を増幅させる。また家族愛や人間の心理描写が深く描かれており、単なるホラー映画以上の感動的な要素も持つ。圧倒的なアクションと緻密なストーリー展開で、多くの国際的な評価を獲得した。
『ハッピー・デス・デイ』(2017)

『ハッピー・デス・デイ』は、ホラーとタイムループものを掛け合わせたユニークな作品。主人公の女子大学生が誕生日に殺害されるが、その日を何度も繰り返すという設定のもと、彼女は犯人を突き止めようとする。ホラーとしてのスリルだけでなく、ミステリー要素やブラックユーモアも加わり、エンターテインメント性が高い。タイムループのたびに異なる展開を楽しめるのが見どころで、徐々にキレていく主人公の演技もコミカルで楽しい。
『アナイアレイション 全滅領域』(2018)

ナタリー・ポートマンが主演を務めた『アナイアレイション 全滅領域』は、未知のエリア「シマー」を調査する女性科学者たちの心理的ホラー。異質なビジュアル表現と謎に満ちた物語展開が特徴で、幻想的な風景と不気味な生物たちが観客を圧倒する。物語は次第にサイコロジカルな要素を増していき、結末に向けて緊張感が高まる。科学とホラーが交錯する独特の世界観が、多くの批評家に高く評価された。
『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019)

『ブライトバーン』は、スーパーヒーロー映画とホラーを融合させた異色の作品。超能力を持つ少年が、ヒーローではなく悪の存在として覚醒していく姿を描いている。スーパーパワーを持つキャラクターが“恐怖の象徴”となるという視点が斬新で興味深い。主人公が超常的な力を駆使して行う恐ろしい行為の数々は、ヒーロー映画の定番を覆す衝撃的なビジュアル。観客に強烈な印象を与える。
『LAMB/ラム』(2021)

アイスランド発のホラー映画『LAMB/ラム』は、農場で暮らす夫婦が、ある日人間の子供と羊の姿を持つ奇妙な存在を発見する物語。独特の静寂感と、自然との調和が重要なテーマとなっており、ホラーとしての恐怖感はじわじわと迫る。美しい風景と、不気味な状況のコントラストがこの映画の見どころであり、寓話的なストーリーは深いメッセージを秘めている。異様な静謐さが、徐々に不安感を高めていく秀作である。
『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021)

『ウィリーズ・ワンダーランド』は、ニコラス・ケイジ主演の異色ホラー。荒廃したテーマパークに閉じ込められた主人公が、暴走する「アニマトロニクス」と戦うというユニークな設定が特徴である。B級ホラー映画としての荒唐無稽な展開が楽しめつつ、ケイジの無言で過激なアクションも見応えのある、一粒で二度美味しい映画。レトロなビジュアルと、無機質なキャラクターたちが織りなす不気味な雰囲気がこの作品を一層魅力的にしている。
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