革新的な技術と感動的なストーリーテリングで、アニメーション映画の世界を変えてきたピクサー映画。『トイ・ストーリー』に始まり、最新作までの数々の作品が、子供から大人まで多くの人々を魅了しています。本記事では、ピクサーの全作品を年代順にリストアップし、それぞれの魅力や制作エピソード、隠れた見どころもご紹介します。あなたの知らなかったピクサーの秘密や、映画ファンなら必見のピクサー作品ガイドを、ぜひお楽しみください。
Contents
- 1 『トイ・ストーリー』(1995)
- 2 『バグズ・ライフ』(1998)
- 3 『トイ・ストーリー2』(1999)
- 4 『モンスターズ・インク』(2001)
- 5 『ファインディング・ニモ』(2003)
- 6 『Mr.インクレディブル』(2004)
- 7 『カーズ』(2006)
- 8 『レミーのおいしいレストラン』(2007)
- 9 『ウォーリー』(2008)
- 10 『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)
- 11 『トイ・ストーリー3』(2010)
- 12 『カーズ2』(2011)
- 13 『メリダとおそろしの森』(2012)
- 14 『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013)
- 15 『インサイド・ヘッド』(2015)
- 16 『アーロと少年』(2015)
- 17 『ファインディング・ドリー』(2016)
- 18 『カーズ/クロスロード』(2017)
- 19 『リメンバー・ミー』(2017)
- 20 『インクレディブル・ファミリー』(2018)
- 21 『トイ・ストーリー4』(2019)
- 22 『2分の1の魔法』(2020)
- 23 『ソウルフル・ワールド』(2020)
- 24 『あの夏のルカ』(2021)
- 25 『私ときどきレッサーパンダ』(2022)
- 26 『バズ・ライトイヤー』(2022)
- 27 『マイ・エレメント』(2023)
- 28 『インサイド・ヘッド2』(2024)
『トイ・ストーリー』(1995)
ピクサーが映画史に残る革新を起こした作品『トイ・ストーリー』。3DCGを駆使した世界初の長編アニメーション映画で、アニメーションの新たな時代を開いた記念碑的作品です。
監督ジョン・ラセターのビジョンが存分に発揮され、ウッディとバズというキャラクターはただのおもちゃではなく、深い感情や葛藤を抱える存在として描かれました。
1995年当時、コンピュータグラフィックスで全編を制作するという試みはリスキーでしたが、ピクサーの先進的な技術とディズニーとの提携により、見事に成功。
とくにバズが飛ぶシーンはCGの美しさとともに、夢を追うテーマ性が強く反映されており心に残ります。
『バグズ・ライフ』(1998)
『バグズ・ライフ』は、ピクサーが『トイ・ストーリー』で得た成功を基に、さらに独自の世界観を広げた作品。アリとバッタの対立を描いたこの映画は、“昆虫”という小さな存在を通して壮大なストーリーを描くことに成功しました。
キャラクターのデザインもユニークで、それぞれに個性的。とくにフリックのクリエイティビティとリーダーシップの成長は、見どころの一つです。
制作時には、昆虫の動きを再現するために実際の昆虫の動きを徹底的に研究し、CG技術がさらに進化したことが見て取れます。技術的な面で『トイ・ストーリー』から大きくステップアップしており、群集シーンの作成においても新たな技術が開発されました。
『トイ・ストーリー2』(1999)
『トイ・ストーリー2』は、当初はビデオスルーとして制作が進んでいたものの、ディズニーとピクサーの判断により劇場公開されることになったという興味深いエピソードを持つ作品です。
前作に続く感動的なストーリーで、ウッディが自分の存在意義に悩む姿が描かれます。とくにジェシーの過去を振り返る「When She Loved Me」のシーンは、多くのファンにとって心を打たれる瞬間。
技術面では、前作よりもキャラクターの動きが自然で流れるようになり、感情表現がさらに深まっています。また、玩具の持つ儚さや友情のテーマが一層深く描かれており、続編として完璧な仕上がりを見せました。
『モンスターズ・インク』(2001)
『モンスターズ・インク』は、ピクサーがファンタジーの世界を舞台に挑戦した意欲作。モンスターが怖がらせることでエネルギーを得るという斬新な設定は、子供たちの恐怖心を逆手に取った見事なストーリーテリングでした。
サリーとマイクという二人のキャラクターが、ブーという人間の子供との交流を通して成長していく様子が、ユーモアと感動を巧みに織り交ぜて描かれています。
とくにサリーの毛並みを再現するために開発された技術は画期的で、当時のCGアニメーションの限界を超えたと言われています。この作品で、ピクサーはストーリーの奥深さと技術革新の両方でさらなる高みへと到達しました。
『ファインディング・ニモ』(2003)
『ファインディング・ニモ』は、海中の壮大な世界を舞台に、親子愛をテーマにした作品です。
心配性な父親マーリンが息子ニモを探しながら自分も成長していく過程を描き、家族の絆や勇気の大切さを教えてくれます。
海の美しさを忠実に再現するために、CG技術を駆使して水中の光や動きを細かく表現しました。特にサンゴ礁や魚の動きはリアルで、観客を海の中に引き込むような効果があります。
制作過程では、スタッフが実際にダイビングをして海中の環境を研究したことが知られており、その成果が作品全体に反映されています。
『Mr.インクレディブル』(2004)
ピクサー初のスーパーヒーロー映画『Mr.インクレディブル』は、家族の葛藤とスーパーパワーという二つのテーマを見事に融合させた作品です。ブラッド・バード監督のユニークなビジョンが存分に発揮されています。
映画は1950年代のスパイ映画やコミックからインスパイアされており、そのスタイルとアクションシーンは非常にスタイリッシュでありながら、どこか懐かしさを感じさせます。
家族というテーマが中心にあり、パー家の一人一人がそれぞれの能力を活かしながら困難に立ち向かう姿が感動を呼びます。
『カーズ』(2006)
『カーズ』は、車好きの監督ジョン・ラセターが、自身の愛車への情熱を注ぎ込んだ作品です。
ストーリーは、成功ばかりを追い求める若いレーシングカー、ライトニング・マックィーンが、小さな町ラジエーター・スプリングスで出会った人々(車々?)との交流を通して、人生の本当の意味を見つけるというもの。
ピクサー作品らしく、キャラクターの成長と友情が丁寧に描かれています。
制作にあたって、アメリカ西部をロードトリップし、クラシックカーの文化や歴史的ルート66の風景を徹底的にリサーチし、町やキャラクターに反映しています。また、車が主役ということで、金属の質感や車体の反射など、さらに進化したCG技術を堪能できます。
『レミーのおいしいレストラン』(2007)
『レミーのおいしいレストラン』は、料理とピクサーが出会った意外な組み合わせの作品。パリを舞台に、ネズミのレミーが一流シェフになる夢を追うという、ファンタジーとリアリティが絶妙に融合したストーリーです。
料理シーンでは、実際にスタッフが料理を作り、アニメーションチームがその質感やプロセスを忠実に再現しました。また、ピクサーの特徴である細部までこだわるリアリズムは、パリの街並みやレストランの厨房においても発揮され、フランス文化へのリスペクトが随所に感じられます。
この作品のユニークな点は、レミーが「どんな背景の持ち主でも夢を追い続けられる」という普遍的なテーマを描いているところで、多くのファンに愛され続ける理由でもあります。
『ウォーリー』(2008)
『ウォーリー』は、ピクサーが大胆に挑んだSF作品で、エコロジーや消費社会への風刺が込められたメッセージ性の強い映画です。
冒頭30分間、セリフがほとんどない中で、ウォーリーとイヴの間に芽生える感情が、視覚的に見事に表現されています。ウォーリーの孤独感や希望を感じさせる演出が心に残ります。
制作にあたっては、ディズニーのレジェンドであるベン・バートが、ウォーリーの音声設計を担当し、ロボットらしい音を駆使しつつも、人間味を感じさせる声を作り上げました。
この作品は、環境問題やテクノロジーの進化に対する警鐘もあり、エンターテイメントでありながら深いテーマを持つ作品です。
『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)
『カールじいさんの空飛ぶ家』は、老後に人生の冒険を追い求めるという斬新なテーマを扱った感動作です。カールじいさんが風船で空飛ぶ家とともに冒険に出るという夢のある設定ながら、その背後には喪失や孤独、再生といった深いテーマが描かれています。
とくに冒頭のエリーとの思い出を描くシーンは、わずか数分間で観客の心を打ち、ピクサー作品の中でも屈指の名場面として称賛されています。
南米ベネズエラのテーブルマウンテンをモデルに、劇中の美しい風景が描かれており、実際に制作チームが現地を訪れたリサーチの成果を感じられます。カールと少年ラッセルの世代を超えた友情が温かく描かれており、ピクサーの真骨頂と言える作品です。
『トイ・ストーリー3』(2010)
『トイ・ストーリー3』は、シリーズの集大成として、ファンにとっても感情的に強く響く作品です。
アンディが大学に進学することを背景に、ウッディやバズたちが直面する別れと新たな始まりのテーマが描かれています。とくにラストシーンで、アンディが玩具を手放す瞬間は、多くの観客が涙を流したことでしょう。
制作にあたって、ピクサーは「おもちゃの持つ寿命」という切実なテーマを掘り下げ、視覚的にも感情的にも成熟した作品に仕上げました。
また、新キャラクターのロッツォやケンもユニークで、ストーリーに深みを与えています。本作は、技術的にもストーリー的にもピクサーの最高峰であり、アカデミー賞でも高く評価されました。
『カーズ2』(2011)
『カーズ2』は、前作とは打って変わってスパイ映画的な要素が加わり、マックィーンだけでなくメーターが主役となるスピンオフ的な作品です。
異国を舞台にした壮大なレースやスパイアクションが展開され、特にロンドンや東京、イタリアなど、国際色豊かなロケーションが魅力です。しかし、スパイアクションという新たな方向性にシフトしたため、ファンの間では賛否両論がありました。
制作の背景には、ピクサーが世界各地でのリサーチを徹底し、各国の文化や風景を忠実に再現しようとした努力が見えます。物語の中心にあるメーターの友情や自己発見のテーマは、コミカルな展開の中でもしっかりと描かれており、子供から大人まで楽しめる作品です。
『メリダとおそろしの森』(2012)
『メリダとおそろしの森』は、ピクサー初の女性主人公を据えた作品。母と娘の関係をテーマにしています。スコットランドの伝統や文化を背景に、自由を求めるプリンセス、メリダの物語が描かれており、その強い意志と家族への愛が特徴的です。
スコットランドの自然や風景を徹底的にリサーチし、美しい草原や城の描写がリアルに再現されています。ピクサー初の時代劇ファンタジー作品ということもあり、衣装やアクセサリー、建物などのデザインにも非常にこだわりが感じられます。
また、弓術や馬術のシーンも非常にスムーズに描かれており、ピクサーの技術的なチャレンジが成功していることが見て取れます。
『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013)
『モンスターズ・ユニバーシティ』は、『モンスターズ・インク』の前日譚として、サリーとマイクが学生時代にどのように出会ったのか、そして友情を築くまでの過程の物語。
二人が最初はライバル同士だったという展開は、ファンにとって新鮮で、キャラクターの成長が丁寧に描かれています。大学生活を背景にしたモンスターたちのユーモア満載のシーンや、ホラー要素をうまく取り入れたコメディタッチが魅力です。
実際の大学キャンパスの寮生活や授業風景が忠実に再現されているのも魅力。また、ピクサーらしい手の込んだキャラクターデザインや、学生モンスターたちの個性が光るシーンも多く、作品全体に躍動感が感じられます。
『インサイド・ヘッド』(2015)
『インサイド・ヘッド』は、ピクサーが感情という抽象的なテーマに挑んだ傑作です。主人公ライリーの頭の中に住む「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」などの感情たちが織りなす物語は、感情の複雑さを巧みに描き出しており、大人から子供まで幅広い層に感動を与えました。
ピート・ドクター監督が心理学者や専門家と協力し、感情や記憶の仕組みを研究した結果、感情を見事にビジュアル化しています。とくに、「カナシミ」がただネガティブな存在ではなく、感情のバランスにおいて必要な役割を持っていることが描かれる点は、この映画の最も革新的な部分。
また、記憶ボールや頭の中の景観など、創造性あふれる世界観のデザインも魅力の一つです。
『アーロと少年』(2015)
『アーロと少年』は、もし恐竜が絶滅しなかったらという「if」設定をベースに、恐竜と人間の少年の友情を描く異色の冒険物語。自然の壮大さと生命の厳しさを背景に、主人公アーロの成長物語が描かれています。
特筆すべきは、背景の美しさ。制作スタッフはアメリカの山々を歩き、壮大な風景をCGで再現しました。このリアルな背景とキャラクターのアニメーションが対照的で、独特のビジュアルスタイルが生まれました。
アーロが恐れを乗り越え、強くなっていく姿は、ピクサーらしい感動のストーリーで、特に自然の脅威に立ち向かうシーンでは、サバイバルのリアリティが強く感じられます。
『ファインディング・ドリー』(2016)
『ファインディング・ドリー』は、『ファインディング・ニモ』の続編で、ドリーが自分の家族を探す旅に出る物語です。前作同様、美しい海の世界がCGで見事に再現され、観客を引き込むビジュアルが際立っています。
この作品では、ドリーの記憶喪失というキャラクター特性が物語の中心に据えられており、ユーモアだけでなく、彼女が過去と向き合い成長する姿が感動的に描かれています。
新キャラクターとして登場するハンク(タコ)は、CGアニメーションにおける技術的挑戦として、触手の動きが非常にリアルに描かれており、その滑らかな動きは制作スタッフの努力の賜物です。
『カーズ/クロスロード』(2017)
『カーズ/クロスロード』は、ライトニング・マックィーンが新しい世代のレーサーに直面し、自らのキャリアを見つめ直すというストーリー。前作のスパイアクション路線から、再びキャラクターの内面的な成長に焦点が戻され、特にスポーツ選手が引退や次のステップにどう向き合うかという、普遍的なテーマが印象的です。
マックィーンと新キャラクターのクルーズの関係性が物語の核となっており、次世代へのバトンタッチが感動的に描かれています。
新世代のレーサーたちが持つ最新技術や戦略をアニメーションでリアルに反映しました。また、アクションシーンのダイナミックさはシリーズ中でも最高レベルで、視覚的にも非常に楽しめる作品です。
『リメンバー・ミー』(2017)
『リメンバー・ミー』は、メキシコの伝統的な「死者の日」をテーマに、家族や記憶、そして音楽の力を描いた感動作。
主人公ミゲルが、亡き家族との再会を通じて自分の夢と向き合う物語は、文化的な深みとユニバーサルな感動が融合しています。死者の国のビジュアルは非常にカラフルで創造性に富んでおり、ピクサーのアートチームがメキシコ文化をリスペクトしつつも、幻想的な世界観を作り上げました。
音楽もこの作品の重要な要素で、特に「リメンバー・ミー」の曲は物語の鍵を握っており、家族の絆を象徴する重要なテーマです。メキシコの文化や風習を深く学び、それを忠実に再現しつつも、ピクサーらしい温かさを持った物語に仕上げています。
『インクレディブル・ファミリー』(2018)
14年ぶりにファン待望の続編として登場した『インクレディブル・ファミリー』、ふたたびパー家のスーパーヒーローとしての活躍が描かれています。
今作では、特にヘレン(イラスティガール)が主役となり、家族の役割やジェンダーに関するテーマが新たに追加されました。スーパーヒーローのアクションシーンは前作以上に迫力があり、特にイラスティガールのバイクを使った追跡シーンは、ピクサーの技術力の進化を感じさせます。
ブラッド・バード監督は、前作のスタイリッシュな1950年代風のデザインを引き継ぎつつも、現代的なテーマを巧みに取り入れ、ファミリードラマとスーパーヒーローアクションを両立させています。ジャック・ジャックの多様な能力もユーモアたっぷりに描かれ、ファミリー映画としての魅力がさらに強調されています。
『トイ・ストーリー4』(2019)
『トイ・ストーリー4』は、ウッディの成長が中心に描かれたシリーズの終章。ウッディがフォーキーやボー・ピープとの新しい冒険を通して、自分の役割を見つめ直す姿は、観客に大きな共感を呼びました。
とくに、シリーズを通して描かれてきた「持ち主に対する忠誠心」というテーマに、ウッディが最終的に自分のための選択をするという展開は、多くのファンに衝撃を与えました。
制作過程では、ピクサーはさらに高度なCG技術を駆使し、特にウッディやボー・ピープの質感や動きが、これまで以上にリアルに描かれています。また、新キャラクターであるデューク・カブーンやギャビー・ギャビーが物語に新たな彩りを加えています。
『2分の1の魔法』(2020)
『2分の1の魔法』は、現代のファンタジー世界を舞台に、兄弟の絆と父親との再会という感動的なテーマが描かれた作品。魔法が失われつつある世界で、主人公イアンとバーリーが、失われた父親の姿を取り戻すための冒険に出る物語は、ピクサーらしい感情豊かな展開が特徴です。
兄弟愛がストーリーの中心に据えられており、喪失と成長、そして家族の大切さが感動的に描かれています。
監督のダン・スカンロン自身の体験(彼も幼少期に父親を亡くしています)がストーリーに反映されており、非常にパーソナルな作品と言えます。また、ファンタジーの要素を現代社会に組み込むというアイデアも斬新で、ユニコーンがゴミをあさるシーンなど、ユーモアも豊富です。
『ソウルフル・ワールド』(2020)
『ソウルフル・ワールド』は、ピクサーが人間の魂の本質を探求するという哲学的なテーマに挑戦した作品。ジャズピアニストのジョーが、死後の世界と生前の世界の狭間で、自分の人生の目的や「生きること」の意味を見つけ出す旅を描いています。
この映画は、特に大人向けの深いメッセージを含んでおり、人生に対する新たな視点を提供します。また音楽が物語の中心にあり、ジャズの即興性が映画のテンポや雰囲気に大きく影響している点も特徴。
ジャズミュージシャンのジョン・バティステが音楽監修を担当し、また、ピクサーとして初めて黒人主人公をフィーチャーしたことでも注目を集めました。さらに、「大いなる彼方」のビジュアル表現や抽象的なキャラクターデザインも独創的で、ピクサーの創造力が遺憾なく発揮されています。
『あの夏のルカ』(2021)
『あの夏のルカ』は、イタリアの美しい海辺の町を舞台に、少年の成長と友情を描いた作品です。ルカとアルベルトが海の怪物であることを隠しながら、夢見る冒険を通じて自分たちのアイデンティティを見つける姿は、ピクサーの作品の中でも特に穏やかで、心温まるストーリーです。
イタリアの文化や風景が美しく再現されており、観光映画のような魅力を持っています。
これは監督のエンリコ・カサローザ自身が幼少期を過ごしたイタリアのリヴィエラをベースにしており、個人的な経験が反映されています。
また、ルカとアルベルトの友情は、どこか普遍的でありながらも、子供時代の特別な友情を巧みに描いており、ノスタルジーを感じさせます。ユーモアと感動がバランスよく配置された、非常に温かい作品。
『私ときどきレッサーパンダ』(2022)
『私ときどきレッサーパンダ』は、思春期の成長と自己発見をコミカルかつ感動的に描いた作品。メイという13歳の少女が、感情が高ぶるとレッサーパンダに変身してしまうというユニークな設定は、変化する身体と感情の制御が難しい思春期を象徴しています。
母親との関係や、自分のアイデンティティを見つけ出そうとするメイの葛藤が中心に描かれ、家族や文化の期待と個人の成長の間で揺れ動く姿が多くの共感を呼びました。
監督のドミー・シーが自身の経験をもとにしており、特にアジア系カナダ人の文化背景が色濃く反映されています。また、2000年代初頭のポップカルチャーへのオマージュも満載で、その時代を生きた人々には懐かしい要素が盛り込まれています。
『バズ・ライトイヤー』(2022)
『バズ・ライトイヤー』は、『トイ・ストーリー』シリーズに登場するバズ・ライトイヤーのオリジンストーリーを描いたスピンオフ作品。
この映画は、アンディが映画館で観ていた映画として設定されており、バズの宇宙探検家としての冒険が描かれています。バズ自身の葛藤や、使命感に対する責任が強調され、キャラクターにさらなる深みが与えられました。
視覚的にも壮大な宇宙が舞台で、ピクサーの技術が存分に発揮されています。
『トイ・ストーリー』のキャラクターであるバズとは異なる、よりリアルなヒーロー像を描くことが目指され、声優もティム・アレンからクリス・エヴァンスに変更されるという大胆な選択がされました。この新たな方向性により、ファンの間では賛否が分かれたものの、ピクサーの挑戦的な姿勢は評価されています。
『マイ・エレメント』(2023)
『マイ・エレメント』は、火・水・土・風の四大元素が擬人化されたユニークな世界観で展開される作品です。異なる属性のキャラクターが共存する都市で、火属性のエンバーと水属性のウェイドが友情を育む物語は、多様性や異文化理解をテーマにしています。
ピクサーが得意とするファンタジーとリアリズムの融合が見事に表現され、キャラクターのデザインや、元素ごとの特性を生かしたユニークな動きは技術的に驚くべきものでした。
制作にあたって異なる文化背景を持つスタッフが参加し、それぞれのキャラクターや物語に深みを与えるためのリサーチが行われました。ピクサーが長年培ってきた多様性のテーマを一段と押し進め、観客に共存の価値を問いかける内容となっています。
『インサイド・ヘッド2』(2024)
『インサイド・ヘッド2』は、ファン待望の続編として、前作で描かれた感情の世界をさらに掘り下げます。
前作では、ライリーが幼少期から思春期に差し掛かる際の感情の変化が描かれましたが、続編では思春期真っ只中のライリーの頭の中で、「新たな感情がどのように形成されるか」が描かれることが予想されています。
前作の革新性を受け継ぎつつ、さらなる心理的な深みが加わることが期待され、新しい感情キャラクターの登場にはとくに注目が集まっています。
ピート・ドクター監督のビジョンがどのように展開されるか、非常に期待が高まる作品です。
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